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政府に自由に通貨を発行できる権限を与えると、必ずと言ってよいほど乱用して経済的な大惨事を引き起こすことを、歴史は教えている。だから、わざわざこのような非効率なことをする制度を多くの国が採用しているのだ。

民間部門の保有している純金融資産が大きければ大きいほど、海外への資金逃避による円安は大幅なものとなりやすい。円安によって輸入品価格が上昇し物価上昇に拍車をかけ、それがさらなる円安の原因になるという悪循環に陥る恐れもある。

国内発のインフレにせよ、為替下落によるインフレにせよ、いずれにしても富裕層は影響を緩和する手段をたくさん持っているが、所得や資産の少ない層ほど対応策が少なく苦しい思いをすることになるはずだ。その危険性を考えれば、
財政赤字を拡大して完全雇用を目指す方法は低所得者にとってはリスクが大きすぎる。