岡潔の“危険性”。研究すれば私が悲しむだけだ/古谷経衡

10/7(月) 8:51配信

―[連載「ニュースディープスロート」<文/古谷経衡>]―

数学者兼哲学者岡潔の危険性

岡潔ブームの時代となっている。
文化勲章を受章した多変数複素関数論の研究者として知られ、晩年は随筆で知られた人物だ。
しかしこの現象はまさに末法と言わなければならない。
誰も岡潔の危険性について言及していないからだ。

岡潔の発言録から拾う。
「大体、明治までの1300年もの間、五尺の体とその機能が自分であるというのは、小我という迷いであって、
この迷いを覚まさなきゃあいけないと習い続けたんです」
「創価学会は全体主義そのもの。宗教じゃない!あれの不安を煽る勧誘に引っ掛かる理由は馬鹿だから!」
「数学をやる者もやる者だけど、そんな者に文化勲章をくれる者もくれる者!」
まさしくキチガイである。

岡潔の奇行は出版社に相手にされなくなってからが本番となる。
「明治以後なんて信用出来ん!良いも悪いも云えたもんじゃない。およそ斯くの如しだ」
「仏教、間違いばかり云ってるから読むな。読むなと云ってる!何で仏教の本なんか捜してる!!」
「童心の季節より後に考えるべき何物もありません。後は応用でしかない。
西洋人はそれより後のことしか考えられない気違いばかりなんです。
それだったら犬猫と変わらん。そんな者が書いたことなど何一つ読まなくていい」
「個人と云うものは無い!いくらそうだって云っても分らんもんだからそんな馬鹿なんだ!マスコミが書いてりゃ意味があると思うんだ。
自分の頭で考えてみよ!この物真似猿め!感受出来ないんだ君は!」
ネット右翼の所業である。

岡潔という数学者兼哲学者は何によって形成されたのだろうか。
第三高等学校に進学。そのまま京都帝国大学を卒業。
極貧時代とはいえ、研究の道のりは大変だったとは思いづらい。