「安倍さん、辞任するって!」
2007年9月。当時、自民党担当だった私は、騒然とした記者クラブ内の様子を今でもよく覚えている。それほど突然の辞任だった。

あれから12年。
なぜ、安倍政権は復活でき、しかも「最長」となったのか。
今回、その裏側を当事者の話で明らかにしたい。

因縁の相手にも聞いてみた。小沢一郎だ。

安倍が総理就任後、初めて臨んだ国政選挙だった12年前、2007年の参議院選挙。
小沢は当時の民主党代表として対決し、自民党を歴史的な大敗に追い込んだ。

自民党は、結党以来初めて参議院の第1党の座を失い、国会は「ねじれ状態」となった。
安倍の退陣につながっただけでなく、のちの民主党への政権交代にもつながる大きな転換点だった。

長期政権の理由として、何よりもまず野党が結集できていないことを挙げた。
「政局的に言えば、1つは、野党が結集できていないことが大きい。共産党、リベラル・中道は1つになれば勝てる」
そして、自民党内の状況も要因だと指摘した。
「もう1つ、自民党内の活力が全くなくなっていることもある。つまり与野党ともに、官邸権力に対抗するだけの力がなくなっている。もう政治家の資質の問題だな自民党も、陰でぶつくさ言っているけど、表向きは、安倍を公然と批判する議員はほとんどいない」

野党がまとまれば、与党に勝利できると主張する小沢。
この7年間で、与党に警戒感を抱かせた瞬間があった。
2年前、2017年衆議院選挙の「希望の党」設立だ。

小沢は、野党勢力を幅広く結集させることを望んだが、果たせなかった。
「ひとときのドラマみたいなものだった。でも、あれは小池百合子が本気になったら十分勝てたよ。衆議院選挙に出て、各党が1つになって、『排除』なんてバカなことを言わなければ」

次の選挙、野党がまとまる見通しは?
「100%まとまる」