「唯我独尊」の「我」は、お釈迦さまだけのことではなく、我々、すべての人間のことなのです。

「唯我独尊」とは、ただ我々人間のみが果たしうる尊い使命、崇高なたった一つの目的を持っている、という意味です。


何の為に生まれてきたのか
何の為に仕事をして生きているのか
苦しくても生きねばならないのはなぜか


人生の目的を教えられたのが、お釈迦さまであり、仏教なのです。

すべての人には尊い目的がある。ここから仏教の平等思想が出ています。
お釈迦さまは2600年前に「万人は平等なり」と仰っています。

お釈迦さまがおられた当時のインドでは、バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラといわれる、厳しい社会の階級(カースト制度)がありました。

バラモン(僧侶)とクシャトリヤ(王族)は、ほとんど、同等の貴い身分とされていましたが、ヴァイシャ(一般庶民)はそれらに対して婚姻はもちろん、交際から職業の自由までも禁じられていました。

シュードラ(奴隷)にいたっては、直接それらと言葉も交わすことができないという、虫けら同然にみなされていました。

そのカースト制度の中にありながらお釈迦さまが身分制度を打ち破って、どんな人も尊い目的を果たす為に人間に生まれてきたのだと、すべての人は平等であると仰ったのが「天上天下 唯我独尊」のお言葉なのです。