オバマ氏は、最近の若者に見られる、他人についてできるだけ批判的になることが変化をもたらす方法だという考えに懸念を示し、
それがSNSによって助長されているとした。

 オバマ氏は「もし私が、あなたが正しく物事を行わなかった、または間違った動詞を使った、とツイートしたりハッシュタグをつけたりすれば、
私はくつろいでいい気分になれる。だってどんなに私の意識が高いか、あなたにわかってもらえるから」と述べ、会場の笑いを誘った。

しかしSNSで公に人を辱めることは、アクティビズムではないとし、他人に石を投げているだけでは、変化をもたらすことはできないと断じた。
純粋で、妥協せず、常に政治的に意識が高いという考えから早く卒業すべきで、現実の世界は乱雑であいまいだと述べた。

最近の若い(自称)活動家の中には、世の中を変える方法とは、
他人に対してできるだけ白黒はっきりさせた判断をすることだと思っている人がいるようだが、オバマからすれば、
それはもう十分だ、そんなやり方はアクティビズムとはいわない。

実際の世の中は複雑かつ曖昧で、よい人であってもなにかしらの欠点はあるし、敵対している人にも家族はいる。
だから、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、といった完全拒絶(=キャンセル)の態度は、厳に慎むべきなのだ。
オバマは、社会の変化のためには忍耐が必要だという自説を強調した。