盗撮によって侵害される保護法益はプライバシー権です。
プライバシー権は「私生活上の秘密を侵害されない権利」とされ、判例で認められていますが、
刑法ではなく不法行為として損害賠償を請求できる民事上の権利とされています。
そのため、プライバシー権の侵害を住居の侵害にすり替え刑事罰を適用している現状は、盗撮以外のプライバシー権
の侵害が損害賠償請求しかできないことを考えると整合性がとれず不適当です。
女性が裸やトイレを見られたとしても、それらは一般的な「私生活上の秘密」に過ぎず、刑法では守られていない権利です。
刑法にも秘密を侵す罪というのがありますが、刑法上の「秘密」とは信書の開封等、一部の重要な秘密に限ります。