最近の国政をみると、どのようにして総理大臣に責めが及ばないようにするかとの官僚らによる過剰な配慮ばかりが目立つ。
それがゆえに、現実は状況に引きずられていく状況追随主義に陥ってしまっている。

考えてみれば、戦前における重臣リベラリズムも同様であった。
これも天皇無答責の問題で、明治憲法55条と統帥権との関りで同じジレンマに陥っていってしまった。戦後、丸山眞男はこのことを指摘した。

だが、丸山の指摘を待つまでもなく、官僚とは「人民に対する国の代理人」との位置付けするマルクス主義国家論からすれば、それは理の当然のありさまだといえるのである。

このように、マルクス主義の視点からは、最近の政治過程は資本制国家の有する本質的矛盾の現象化だと明確に分析できる。