「ポストモダン」は多義的な言葉である。1980年代の日本においては
ポストモダンと現代思想はほぼ同義に使用されていた。しかし、
デカルトに始まる「自我ないしは主体を中軸にした近代哲学の枠組みを解体し
それと別の枠組みを探究する」新しい思考の系譜という意味になるだろう。
従来、「狭義の哲学」の限界を超えて、他分野の手法も取り入れながら、
「自我や主体」に囚われない思考様式を獲得しようとするものである。