民法121条の2は、
無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う
と規定している。

本状を卒然と読めば、詐欺を受けて売買契約を締結した買主は、
詐欺による取消しをした場合、目的物(価額100万円)を返還することになる。

それでは、目的物を返還できない場合(たとえば、転売してしまった場合等)には
どうなるのか。たとえば、目的物の価額100万円全額を返還しなければならないのか、
転売価額150万円を返還しなければならないのか。それ以前に、そもそも転売価額は
原状回復義務の内容として代償物を返還しなければならないのか。