■共感性のなさ
さらに共感性の薄さによって、相手の立場に立って物事を考えることができず、
その場にふさわしくない言動をしていたり、自分の目的達成のために友人を利用したりするような対人関係がみられることをいいます。


この障害がある人が自分を誇大化する理由は、本当の自分に自信が持てないなどの理由があります。
本当の意味で自分自身を受け入れることができていない状態なのです。

誇大的自己と無能的自己の間で、強い解離があって、家庭や学校社会で不条理な目に遭わされ、
この現実を拒絶した人のなかには、激しい怒りと過覚醒を基盤とした自己中心的な支配衝動に駆られ、
反抗挑戦性障害や反社会性パーソナリティ障害になっていく方もおられます。


▶自己愛無関心型と自己愛過敏型

自己愛性パーソナリティ障害の人を大きく分けると自己愛無関心型と自己愛過敏型の2タイプあると言われています。
自己愛無関心型は、力や成功を勝ち得るために誇大的自己と同一化した人格部分が日常生活の大部分を担っており、弱くみじめで無力な自己はどこかに隠れています。
自己愛過敏型は、周囲の評価を気にしながら、内気で恥ずかしがり屋を見せていますが、
一方で、本当の自分は優れていると思っており、傲慢な誇大的自己がときどき顔を出すことがあります。

従来の自己愛性パーソナリティ障害で言われているのは、自己愛無関心型です。