ソニーの通期営業利益が過去最高の見通し、モバイルゲーム「FGO」が大きく貢献

ソニー株式会社(東京都港区)は10月31日に2018年度第2四半期の連結決算を発表した。
2017年4月から2018年3月までの連結業績見通しでは、通期の営業利益が6300億円となり
予想通りなら1997年度の記録を破って、この多国籍コングロマリットの71年の歴史でも、最も高い通期営業利益の年度となる。


史上最高益を達成する要因は多岐にわたるが、その中でもモバイルゲーム「Fate/Grand Order」の好調が目立っている。

同作は2004年発売のアダルトPCゲーム「Fate/stay night」を基に、2015年にiOSおよびAndroid向けに配信が開始したモバイルアプリだ。

ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下のアニプレックス社と外部のスタジオDELiGHTWORKSによる協業で運営されている。

ソニーが正式に公開した2018年度第2四半期連結決算の資料には
「『Fate/Grand Order』の好調による映像メディア・プラットフォームの増収」や「『Fate/Grand Order』が業績に大きく貢献しております」と明記されている。

「Fate/Grand Order」に牽引され、当四半期の「音楽分野」(ソニーにより分類)は前年同期比で37.5%の増収となり、通期の営業利益は190億円の上方修正をされて940億円となっている。

コンテンツ関連では他にも、好調を維持した「スパイダーマン:ホームカミング」の全世界における劇場興行収入を背景に、「映画分野」も増収増益となった(前年同期比で27%の増収)。
また、全体的な増収増益の要因には、半導体分野でモバイル機器向けイメージセンサーが大幅に伸びたことも特筆すべきポイントとなっている。

ソニーは元々、通期営業利益が5000億円になると予想していたが、昨日の発表でそれを1300億円も上回る新たな見通しを明らかにした。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」も過去最高益の予想になった最も重要な2つの理由として「Fate/Grand Order」とイメージセンサーを挙げており
グローバル投資銀行ジェフリーズグループの分析家の言葉を引用して「予想外」「爆発的増収増益」であると形容している。