仕事で、関東以北のとある中規模都市に日帰り出張した日の出来事である
仕事が終わり、最寄り駅で帰りの列車の時間まで、まだ小一時間ほど時間があった
俺はその駅の駅前商店街に出向いて時間を潰そうと思い、
商店街中ほどに店構えしていた、一軒の古本屋に、なんとはなしにフラっと入った

店のやや奥のほうに、スポーツ関連の本が凝縮されていく一角があった
何気に見ると、競馬本もチラホラと置いてあった
本のタイトルに「岡部」「小島太」というキーワードの入った本もあった

「へぇ、けっこう古いレアな競馬本が置いてあるんだな・・ さすが地方都市だな・・」

俺は、何気なくそのまま視線を横のほうに移すと、
とある一冊の薄緑色の薄汚れたカバーを纏った本が、やおら視線に入ってきた

「えっ・・?」 「えっ・・?」  ・ ・ ・ ・  『ええっ!!?』

↑「2度見」ではなく、いわゆる「3度見」というやつである・・・