先週のCBC賞(G3)で、レッドアンシェルを重賞初制覇に導いた福永祐一騎手。まさに「中京の福永」を体現するような見事な騎乗だった。
だが、喜びも束の間……そのわずか10分後には、お手馬のブレイキングドーンが田辺裕信騎手に乗り替わってラジオNIKKEI賞(G3)を勝利。管理する中竹和也調教師は、これでJRA全10場重賞制覇という嬉しい“オマケ”が付いた。
ここまでなら、まだ“痛み分け”といったところだろうか。しかし、ブレイキングドーンの勝因になった福島競馬場の“恵みの雨”を恨めしげに見ていたのは、他ならぬ福永騎手なのかもしれない。

「先週のラジオNIKKEI賞で中竹調教師が全10場重賞制覇を達成しましたが、実は福永騎手も2011年からずっと、福島を残してリーチが掛かっている状況なんです。武豊騎手ら数人しか達成してない記録だけに、以前から本人も気にしていたようで……」(競馬記者)

記者によると、福永騎手がJRA全10場重賞制覇を狙っているのは「結構、本気」なようだ。

というのも今週、七夕賞(G3)でタニノフランケルとともに記録に挑む福永騎手は5月頃から角居勝彦調教師に「(福島の)七夕賞に使ってもらえませんか?」と直訴していたという。

前走の鳴尾記念(G3)こそ武豊騎手が騎乗して8着に敗れているが、福永騎手にとっては念願叶ったりの七夕賞挑戦。これで勝てば、まさに「“祐”言実行」の記録達成となるが、“こと”はそう単純には運ばなかったようだ。