◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」

サラブレッドは一部の「功労馬」が老衰するまで生きる。
比較的物さしが手に入りやすい生きもので「数え年の4倍」が相場などとも言われる。
ところが繁殖が関係するとこの単純な年齢換算は破綻する。
キズナは母キャットクイルが20歳で生んだ子だ。先日、種牡馬引退が発表されたハーツクライも今年20歳だ。
人で「76歳が出産」となれば世界的ニュースだし、「76歳で父になる」も、まあ珍しい事象だろう。

動物園や水族館の広報が、マスコミに「人間で言えば○×歳」と答えているのは、
それを欲しがるマスコミに対する“大人の対応”にすぎない。
裏では専門家として割り切れない思いも抱えていることは、同業者には知っておいてほしい。

https://www.chunichi.co.jp/article/278614?rct=keibakagaku