平和をたずねて
軍国写影 反復された戦争/70 朝鮮人決起、独立運動に=広岩近広
https://mainichi.jp/articles/20180529/ddn/012/040/038000c
シベリアの日本軍が抗日パルチザンの抵抗に遭っていたとき、韓国では独立運動が勃発した。
日本による併合から9年目の1919(大正8)年3月1日、ソウルの公園に市民や学生ら数千人が集まり「独立宣言書」を発表する。

 集会後、人々は大韓帝国の太極旗を振り、「独立万歳」の声をあげて、デモを続けた。
歴史学者の岩井忠熊さんは、こう解説する。

 「ロシア革命でソビエト政府が民族自決の原則を表明し、ウィルソン米大統領は14カ条の平和原則で民族自決を提唱しました。
このような世界の動向が、日本の植民地・朝鮮で独立運動を引き起こしたのです」

 このとき東欧やアラビア半島の諸民族も独立しており、大きな潮流があった。
朝鮮半島では、この日に元国王・高宗の国葬があり、地方から大勢の国民がソウルに来ていた。
その足でデモに加わり、実に数万人規模となり、この動きは朝鮮半島の全域に及んだ。「3・1独立運動」である。