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●ニュースへの信頼度は「世界最低」

本来、チョ・グク候補を検証する場だった「記者懇談会」が、記者を評価する場に
変わった理由の背景には、韓国社会の根強い「メディア不信」がある。

今年6月、韓国の日刊紙『ソウル新聞』は「韓国言論信頼度、4年連続不動のビリ」
という記事を掲載した。

英オックスフォード大学付設ロイタージャーナリズム研究所が毎年発表する
「デジタルニュースレポート」2019年版を引用したこの記事では、
「ほぼ常に、大部分のニュースを信頼する」項目への回答が韓国では22%に過ぎず
38か国中最下位であるとした。なお、前年も25%とやはり最下位だった。
ちなみに日本は19年に39%で25位。

この数字をもたらした一因には、李明博(08年3月〜13年2月)
・朴槿恵(13年3月〜17年3月弾劾罷免)時代に、
次第に権威主義的姿勢を強めていった政府に押され続けた弱腰のメディアの姿がある。

さらに、社会問題において保守・進歩の陣営対立が非常に強い中で、
どのメディアも市民から「いずれかの陣営寄り」と判断される他ない状況も
関連している。ファクトよりも陣営、とメディアが見られているということだ。

他方、こうしたステレオタイプでの分類を良しとしないメディア側の動きも見える。
ここ数年、多くのメディアで「ファクトチェック」コーナーが増えていることが
その一例といえる。あくまで、メディアの本分は真実(ファクト)を報じることにある
という立場だ。