>>358

●「記者懇談会」の落とし穴

話を記者懇談会に戻そう。
冒頭にあげたような記者への批判は妥当なのか、という点を考えてみたい。

まず、強調しておくべきは「記者懇談会」という形式が特殊であったという部分だ。
これは法に則り本来開かれるべき「人事聴聞会」が、
与野党の意見対立により開かれない中で行われた変則的なものだった。

「記者懇談会」には「人事聴聞会」であるべき証人の召喚や、候補者による
様々な疑惑に答える事前の書面提出、十分な質問時間などがいずれも欠けていた。
さらに、嘘をついても「偽証罪」に問われない点なども問題点とされた。

これについて3日、記者歴4年のある韓国紙記者は筆者との電話インタビューの中で
「聴聞会ならばチョ候補が質問に答えた後で、追加の質問もできたのに、記者懇談会では
追加の質問をほとんどさせなかった。視聴者にとってはチョ候補がうまく答えて、
記者がやられたという形になった。記者の立場では形式に不満が多かった」。

この記者はまた、「聴聞会の開始時間15時半は記事の締め切り時間を控えた時間のため、
キャリアが長くない記者が対応することになり、質問が鋭くなかった点があるかも
しれない。締め切りが終わった夜の時間には、中堅の記者がチョ候補に質問したが
その時には『その質問にはすでに答えた』とかわされ、もどかしかった」と語った。