■クライテリオン2020年3月号

バカで卑劣で腐り果てた有権者 適菜収

私は以前から安倍晋三とその周辺の一味を極左カルト・反日グローバリストと規定してきたが、
正直ここまでこないとわからない奴が多いことに驚くというか(本当は驚いていないのだが)
大衆社会の末路はこんなものなんだろうなという感慨しかない。

「桜を見る会」に関する一連の騒動があった後の全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は42.7%(共同通信)。
42.7%もバカがいれば当然国は傾くが、興味深いのは安倍が疑惑に「十分に説明しているとは思わない」が83.5%だったこと。
「十分に説明しているとは思わない」のに支持する人間が多数いるということだ。

当たり前の話だが、バカがバカを支持すればバカな国になる。やはり国民のせいだと思う。
有権者がバカで卑劣で腐り果てているのである。

昔から「国民を騙す政治家やメディアのほうが悪い」と言いたがる奴はいるが、そんなことは百も承知の上で言っているのだ。
いつまで被害者面を続けるのか。詐欺師がいるのは騙される奴がいるからだ。
そして被害者は詐欺師を増長させるという意味合いにおいて加害者でもある。

近代国家においては国民主権という建前になっている。そして権力を持っているのは文字通りの「有権者」だ。
ジョン・アクトンの言葉を振り返るでもなく、権力者は必ず暴走する。だとしたら、有権者は必ず暴走する。