【恨J民】桜ういろう 2本目【ストーカー】
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
保守系女性アカウントへの執拗な粘着で有名なハンJ最高齢垢・桜ういろうについて語りましょう!(・∀・)
※前スレ
【恨J民】桜ういろう 1本目【ストーカー】
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/korea/1591023199/ その時、オレの左隣を走っていた幼馴染のネロが右手を伸ばしてオレの胸を支えてくれる。 ネロは黒いハットを斜めに被り、整った目鼻立ちで黒縁メガネ。左耳にピアス。 服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。 ネロのハットとジャケットは砂埃で汚れ、指輪とブレスレットに小さな泥が付いている。 ネロはオレの胸からそっと手を離し、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。 ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の3D立体映像が表示された。 3D立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。 オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。 「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。ミサの援護を待とう」 「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか? ミサを待ってられるかっ」 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま。 魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。 こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。 オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。 オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。 オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。 「こいつらなんなんだ? アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。 「わからない。もしかしたら、禁断の森に棲んでいる新種の魔物かもしれない」 ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。 ネロは顎に手を当てて腕を組み、魔物を観察して考え込んでいる。 ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。 その時、ネロの左耳に装着しているインカムに、幼馴染のミサから無線が入る。 ネロのインカム越しから、ノイズ交じりで幼馴染のミサの暢気な声が聞こえる。 ミサはホバーボードで禁断の森の偵察に行ったままだったが、やっとミサから無線が入る。 オレは額に両手を当てて空を仰ぐ、ミサどこにいるんだよ。 つうか、いままでどこ行ってやがった。オレのことは無視かよ、ミサ。 腹を空かしているのか、魔物たちがジリジリとオレたちとの距離を縮める。 魔物は低く唸り、吠えたり、涎を垂らし、歯を噛んで鳴らし、仲間の首に噛みついたりじゃれている。 オレは魔物を睨み据え、斜め掛けの鞘に収めている剣の柄に手をかける。 「こうなりゃ、戦うしかねぇだろ。ネロ、策はあるか?」 「この数を相手にするつもりか? 相手にするとキリがない。こいつでまとめて片付ける」 ネロはジャケットのポケットから、銀色の小さな丸い球形を二個取り出した。 ネロは後ろに手を回して、銀色の小さな球形をオレに手渡す。 オレは首を傾げ、手を後ろに回してネロから得体の知れない銀色の小さな球形を受け取る。 オレは眉根を寄せ訝しげにネロから受け取った銀色の小さな丸い球形を両手の掌で転がす。 オレは銀色の小さな球形が転がる動きを細い目でつまらなそうに追う。 ネロが肘でオレの脇腹を小突かれて、オレはネロに振り向く。 「手前に水溜りがあるだろ? こいつで奴らを感電させる。ある程度倒せるだろ、後のことは考えてない」 ネロは手前の水溜りを睨み据え、左手をジャケットのポケットに突っ込んで銀色の小さな球形を放り投げて遊んでいる。 ネロの作戦が耳に入ってなかったオレは数秒遅れて、両手の掌で銀色の小さな球形を転がす動きが止まった。 今更ながらネロの作戦に驚き、オレは銀色の小さな球形を握り締め、そのまま拳を振り上げた。 周りを見渡せば、確かにオレたちの周りに大小の水溜りがある。 オレは握り締めた指を広げて、掌に載っている銀色の小さな球形を見つめる。 「ボクを信じろ。それとも、カイトはボクを信じられないのか?」 ネロが念を込めてオレの脇腹を小突き、ネロはカイトに意思表示する。 黙って銀色の小さな球体を握り締めて、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。 その時、ネロのインカムからノイズ交じりで緊張感のないミサの暢気な声が聞こえる。 「奴らが水溜りの上を歩いたら、そいつを投げるんだ、いいな?」 ネロはミサを無視して、黒いハットに手を載せ、銀色の小さな球形を握り締めた。 オレは緊張で唾を飲み込み、ごくりと喉を鳴らす。何故か喉が渇き、冷や汗が頬を伝う。 ネロは左手をジャケットのポケットに手を突っ込み、右手で銀色の小さな球形を握り締めて手を構えている。 後ろの敵と前の敵を気にしながら、ネロはタイミングを窺っている。 どうやら、ギリギリまで奴らを引き付けるつもりらしい。 オレは水溜りの上を歩く奴らに向かって、銀色の小さな球形を放り投げる。 銀色の小さな球形は放物線を描いて水溜りに落ちた瞬間、強烈な青白い電撃が魔物たちを巻き込んで襲い始める。 あまりの眩い光に、オレは思わず「うっ」と声を漏らす。顔の前で眩い光を手で遮り、片目を瞑る。 魔物らが水溜りの上で咆哮を上げながら、魔物の身体は黒こげになり黒煙を上げ、絶命したのかばたばたと横に倒れてゆく。 電撃を食らわなかった魔物らは、一瞬何が起こったか理解できず、首を傾げてお互い顔を見合わせる。 数秒が経ち、魔物らは仲間の死体を見つめて悲しい眼をして後退り、ぞろぞろと踵を返して樹の影に消えてゆく。 まだ諦めてないのか、樹の影で魔物の紅い目が光っているのが不気味だった。 「なんとかなったな。正直、お前の親父の発明品、馬鹿にしてたぜ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています