2010年9月15日1時36分

東京・秋葉原で2008年6月、7人を殺害し10人を負傷させた無差別殺傷事件で、
殺人などの罪に問われた元派遣社員・加藤智大被告(27)の第21回公判が14日、
東京地裁であり、被告の精神鑑定を担当した精神科医が検察側証人として出廷した。
18回、計約44時間にわたった面接で被告が見せた心の内を、医師としての分析を交えて明らかにした。
精神鑑定は起訴前の3カ月間実施され、面接や心理テストなどをもとに「犯行当時、被告に精神疾患はなかった」との結論が出ている。
加藤被告はこれまで、事件の動機について「ネット掲示板上の(自分への)成りすましなどの嫌がらせをやめて欲しいとアピールしたかった」と語ってきた。
検察側からこの点を「動機と犯行に飛躍があるのでは」と問われると、医師は「飛躍はあるが、
それなりに筋が通っていて理解は可能だ」と説明。被告が面接で、たとえ話として、
大リーグのイチロー選手に成りすました偽者が試合に出て凡打の山を築いたら……という話をし、
「イチロー選手はだまっていないでしょ。自分が殺されたのと同じなんです」と語ったことを説明して、
「被告にとってネットでの嫌がらせは、とてつもなく大きな意味を持っていた」と述べた。