ヤンキースの田中将大投手は今季、レギュラーシーズン27試合に登板し、デビューから5年連続の2桁勝利となる12勝(6敗)、防御率3.75の成績をマーク。
ポストシーズンでは地区シリーズ第2戦で5回1失点と好投して勝利投手となったものの、2年連続リーグ優勝決定シリーズ進出はならなかった。
だが、昨年に続いて絶大な勝負強さを見せた日本人右腕を同僚は絶賛している。
2番手捕手のオースティン・ロマインは「マサはクラブハウスでは静かで、自分のことに集中している。リラックスして少し冗談も言うが、ただ静かだよ。マウンドに立つと、別人になるんだ」と証言。
一方、田中と仲がいいエース右腕ルイス・セベリーノも「彼はマウンドで真剣だよ。自分がするべきことを考えている。集中している。マウンドから降りてダグアウトに戻った時、
僕は彼の目を見ようとするけれど、彼は集中し過ぎていて、僕のことが見えてすらいない時がある。彼は異なる2人の人間なんだ」と明かしている。
大舞台での勝負強さは証明済み。ポストシーズンでの防御率1.50は、5試合以上に登板している投手では歴代5位となっている。
★昨年は0勝2敗で迎えた地区シリーズのインディアンス戦で快投し、流れを変えヤンキースを逆転突破に導いた。そして、今年も強力レッドソックス打線を相手にヤンキース先発陣で1人だけ好投。
なぜ、田中は大舞台に強いのか。大事な試合になればなるほど、特別な力を発揮しているようにも見えるが、ロマインの見方は違う。
「彼は全ての状況で、重要な試合のように考えるんだと思う。だから、その状況になった時に慣れているんだよ。1球1球を試合の最も重要な1球のように考えるんだ。それが彼が成功している理由だと思う。
だから、彼は制球がとても良いんだ。全ての球に集中している。全ての球を重要な局面での1球のように考えることで、実際にそうした場面がやってきた時に、彼は準備ができているんだよ」
レギュラーシーズンの試合から、田中のやっていることは変わらない。プレッシャーがかかる試合になっても変わらない。だからこそ、重要な場面でいつもどおりの力を発揮できる。ロマインはそう考えているようだ。
大舞台でも平常心を保ち、持ち味である制球力が乱れることもない。だからこそ、打者を見事に抑え込むことができる。他の誰よりも田中について理解しているチームメートは、
その凄さを肌で感じているようだ。