学部生や院生によると、就職活動は大変だそうだ。
昨年までの「売り手」市場など、雲散霧消してしまったらしい。
気の毒に思われる。
もっとも、そうして就職したはずの先輩たちも、やがて資本主義社会の酷薄さを身をもって味わう
ときがこよう。だがそれはけっして「自己責任」などではない。

それは、利益至上であらねばならぬ、資本主義の有する本質的性格に由来するものであるからだ。
そうしたときに、ぜひマルクスの『資本論』第1巻に目を通してほしい。労働とは何か、
資本主義とはどのようなシステムかが明快に解き明かされており、苦しい自己の現状がけっして
あなたご自身の責めによるものではないことが理解されるはずだ。

そのことを大内兵衛・元法大総長は卒業式にて、はなむけの言葉として贈ったのであった。
不当な整理解雇、強引な退職勧奨、むろん解雇や雇止め、契約打ち切りにあったときも同様である。

使用者(会社)を、為政者を妄信してはならぬ。苦しいとき、彼らはあなたを平気で切り捨てる。
ご経験ある方であれば、この私の真意ご賛同いただけるはずである。