日本人選手がパワーヒッター揃いのメジャーで本塁打王を争う日が来るとは、だれも想像しなかったのではないか。しかも投手として9勝をマーク。かのベーブ・ルース以来の二刀流選手として全米から注目されるのが大谷翔平(27=エンゼルス)だ。日本ハム入団時のGMだった山田正雄さん(現スカウト顧問)に、二刀流誕生の経緯や大谷の素顔を聞いた。
――大谷の活躍は予想できましたか? 入団したころは巨人にいた高橋由伸のような中距離ヒッターになるだろうと思いました。3割を打ち、足が速く、肩も強い。三拍子そろった中距離ヒッターになるかもしれないと。ましてメジャーで本塁打王を争うなんて……。あんなに打球の飛距離が出るようになるとは思えなかったですね。まさに想像を絶する姿です。
――当時のGMとして、高校生だった大谷をどう見ていましたか。 投手としても打者としても、甲子園とか練習試合とかU18の行われた韓国などで見ました。けれども、まさか投打の二刀流ができるとは夢にも思っていなかった。何しろ前例がありませんから。どちらかに絞らなきゃとは思っていました。