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1985年1月、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロで開催された「ロック・イン・リオ」にヘッドライナーとして招聘されていた。
このイベントは25万人を収容出来る広大なスタジアムで開催され、
南米全土でTV放映され2億人が視聴するという、クイーンにとっては失地回復の絶好の機会になる筈であった。

問題が起きたのは1月12日の公演。
ブラジルは日本と並んで2大クイーンご贔屓(ひいき)国。
その気の緩みか、アンコールの「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」でフレディは同曲のPVと同じ衣装の、つけ胸の女装姿で意気揚々と登場したのだ。

これに25万人のオーディエンスが一斉に反応し、あらゆる物がステージに投げ込まれる大ブーイングが起きた。
この曲は貧困にあえぐ労働者階級層の間で自由を求めるアンセム曲として現地で支持を受けており、
自分たちの大切な曲を汚すような演出に怒りをぶつけたのだ。
しかしメンバーはそんな事情は知る由もない。
ファンの異様な熱気に危険を察しコンサート終了後は逃げるように会場を脱出する羽目となった。