石飛さんは、「今年は、『いつものフジロック』を取り戻す方向にかじを切る」という。

「まず、〝自主規制〟を撤廃します」

すなわち、会場で酒類は販売する。検査キットの事前配布はしない。

また、マスクについては「屋外でお客さま同士、距離があり、発声や会話がない場合は、マスクを外して熱中症の予防やリフレッシュをしてください」とした。

「適切なディスタンスなど、そのあたりは、もう皆さん、生活の中で定着していますよね? 世の中の新しいノーマルに従ってもらえたら良いと思うのです。その意味では、今年は『ニューノーマルなフジロック』にするといってもいい」

チケットの販売については、「出足がちょっと鈍い印象」だそうだ。

フジロックの観客は30代が中心。家族もいて、会社でもそれなりの役割を担っている年頃だ。

「〝あのフジロック〟へ行くのかという周囲の反応もあり、迷いやためらいもあるのでしょう」

まだ、コロナ禍に翻弄されているのだ。収支は合うのか? 何のために開催するのか?

「お客さんと一緒に夢を追い続けるためでしょうか。ただ、そもそも、イベントビジネスは天変地異などによるリスクが大きい。別の感染症が流行すれば、また苦労するに違いない。それをいいだしたらきりがない」

前に進めるほかにないのだという。