Billboard運営が警鐘「チャートハック目的では、音楽を“聴く”とは言えない」

「曲名・アーティスト名」を付けた“ノイズ”なツイートの連投

Billboard JAPANは、2013年よりTwitterでの話題を指標に導入している。これは本国アメリカのBillboardに先立った動きだ。

ラジオ局が膨大にあり、多様な音楽が流れる下地のあったアメリカと比べ、日本はラジオ局が少なく、そこでの音楽的なリアクションをカバーしきれていないという問題があった。それを補うため、Billboard JAPANは、ユーザーのリアクションのデータとして、Twitterを指標に取り入れた。

「レコード協会の調査によれば、CDシングルを新規購入した理由として口コミはかなりの割合を占めています。そのため、口コミとしてTwitterは導入当初係数を高めに設定していました」(礒﨑さん)

Billboard JAPANは、ツイート数のカウント方法について、アーティスト名と曲名どちらも書かれているツイートが集計対象であることを公表している。しかし、Twitterは実際のツイート内容とは無関係のハッシュタグを使用したり、単語のみでツイートしたりできる。

特に、ある時期から特定のアーティストをチャート入りさせることを目的に、ファンダムが意識的に楽曲名とアーティスト名をツイートする流れが大きくなった。Twitterで楽曲名を検索すると、ノイズやスパムとしか感じられない投稿も散見されているのが現状だ。

礒﨑さんも「ファン以外のユーザーが見て、どう思うかというところまで考えたほうがいい」と懸念を隠さない。