彼はヘロインを使っていた時期について話すことには慎重だ。使い古された陳腐な話に聞こえること、
もしくはヘロインを何か”知的な”ものすることを心配している。

しかし、自ら自身のヘロインについての話を切り出すと、その自身の薬物中毒者としてのライフスタイルを”愛していた”と認めた。

「アクトンの公営住宅団地で、人生のすべてを投げ捨てている人達と一緒にいたんだ。
俺は自分と同世代の人々に連帯感や社会的、もしくは文化的な意味での連帯を感じたことがあまりなくてさ。
常にあのデニス・ウェルチの息子という肩書きが付き纏ってたし、
The 1975のただのバンドメンバーの一人として見られたことなんてなかった。
でも、あそこで彼らと一緒にヘロインを吸っていた時だけは、俺はただの一人のsmackhead(ヘロイン中毒者)でしかなかったんだ」

しかし、そのような彼の仲間達に比べ、彼にはある程度の用心深さがあったのだという。 
「リハビリ施設に入った時に、ある人からこう言われた。
『君は凄くラッキーだ。普通、ここに来る多くの人は大抵全てを失っていて人生を立て直さなければならないから』って。
俺は特に何かを失ってたわけじゃなかった。友達からの尊敬をちょっと失っただけだったからね」