スマイルカンパニー問題について。山下達郎さんは当然おシブインタビューでの接点となりますjが。特別好きなアーティストではないので個人的には何も言えるようなことはないのですが。しかしインタビューは今読むとめちゃめちゃ面白いですね。当時はよくわからんって感じで正直よくわかりませんでしたが。本格派も大人になりました。成長しました。本格派進化論です。
松尾潔さんはわたしのような古いロックファンには無縁といいますか、名前だけはぎりぎり知ってる程度で、ほぼほぼど存じ上げないのですが、、捜したらありました記憶に。これ誰かははっきり憶えてなかったのですが、、これ松尾潔さんでした。どうぞ(←手柄自慢おシブ風)

――『松尾潔のメロウな日々』『松尾潔のメロウな季節』と2冊を拝読した感想を述べさせていただくと……

松尾:恐ろしいですね(笑)。

――とにかく情報量がすごいですよね。日本の音楽評論って、意外と、というかけっこう情報量の少ないものが多くて、いざ資料にしようと思うとまるで使いものにならなかったりすることが珍しくないんですが。

 それは割と歴史的に決定されてきたという印象を持っていて、60年代くらいにまずポピュラー音楽――当時は主に歌謡曲ですが――を論じ始めたのが、思想の科学だったり新左翼の人たちだったという事実があります。彼らはまあイデオロギーありきで論じていたわけです。それから『ミュージック・マガジン』と『ロッキング・オン』の時代になりますけど、90年代には『ロッキング・オン・ジャパン』のような特殊なフォーマットが一人勝ちの様相になってしまったという。

松尾:自慢ではないですが、ぼくは『ロッキング・オン』って一度も読んだことがないんですよ。

――この「リアルサウンド」の編集長は、実は『ロッキング・オン』出身なんですよ。

松尾:そうなんですか! 20年以上も前のことですが、山崎洋一郎氏と海外取材先で一緒になり、ウマが合って何度か飲みました。でもジャンルが違うから、双方ともお互いの仕事をよく知らない(笑)。同じ時代に生きていながら、ロック・ジャーナリズムとは無縁でした。だから本の書き方がよくわからなくて、我流でやったらこういうかたちになってしまったんです。いろいろな人から読後感が小説に近いとよく言われるんですが、自分は小説ばかり読んできたからしょうがないんですね。