「つまり……、存在しない人の名前なんですか?」

「そういうことだと思って差し支えない。
 浦野貴司という芸能人が以前いたが、もう亡くなった。
 彼は引退直後に逝去してる。浦野貴司や安倍晴明、
 そもそもヤマトタケルノミコトの名前だ。
 旧芸能一位の浦野貴司には消えてもらってる。
 彼は『警察保護案件の名乗り』に過ぎない。
 横浜の彼が生きていようが死んでいようが、
 引き継ぎのマネージャーくらい真面目な輩もいるまいが、
 横浜の家については、我々現役にとってはすべき事がなく、
 それ自体は仕方ないと言ったところだ」

「すみません、ただ、お詫びするしかないという事でしょうか…?」

「そうだな、そうさな…、

 過去、偉大な働きをしたグループ長らを、芸能界創出の家系を、
 30年にわたって、現役芸能人を駆使して追い落としたのだ。
 円満に和解したし、今後、和解はない。
 彼らからすれば損だったわけだよな。諸行無常。
 それとて、もはや納得ずくだそうだ…」