紅の豚 2018/11/2 22:48

観るつもりはなかったのだが、偶然飲み屋のTVで観て、愕然とした。

コマ落ちしてるのかこれは?
なんか処理落ちしている動画のようだった。

明らかに動画枚数が少ない。
物凄く切り詰めているのだ。
直近で『もののけ姫』を観たからか?いや、そうではないだろう。

『紅の豚』は、相当切り詰めた制作だったのだ。

宮アさんが「これだけは趣味で作った」と言っているようだが、公開当時劇場で観ても
「あれ?クオリティが・・・」と思ったものだ。
恐らく宮アさんが「スランプ」に陥り、ジブリの経営的にも窮地に立って、なけなしの予算で
何とか作ろうとなって、「じゃあ俺の趣味で作らせろ!」と、そこまで想像できるのだ。

歴代ジブリアニメの作画枚数がこちらwwwwwww
tp://na2ka4.blog.fc2.com/blog-entry-5583.html

この数字を信用するとして、尺の問題はあるにせよ、『魔女の宅急便』から枚数は減っている。
面白いから計算してみると、一分辺りの枚数は『魔女宅』が657枚、『紅の豚』が624枚だ。
30枚しか違わないじゃんと思うかも知れないが、この30枚の積み重ねが100分近くになると
劇的に違う。

興行的には50億を突破して、結果としては大成功だったが、おそらく予算的にはキツかったと思う。
ここを切り抜けたジブリが、「ジブリをぶっ潰す」覚悟で『もののけ姫』で一か八かの勝負に出るのだ。
そう想像すると、危機の連続だったジブリクロニクルが浮かんできて、興奮する。

僕は『紅の豚』は、飛行艇の飛翔シーンや美術など、かなり不満が多い。
しかし、ジブリの歴史を考えるに、実に意義深い作品だったと思う。

まぁ、常日頃言うように、作品のバックステージは関係ないのだけどね。
でも、こうなるとジブリファンは辞められない。


「マルコ」とジーナの「過去の思い出」のシーンは今も涙が止まらない。
歴代ジブリ作品の中でも白眉のシーンだ。