なぜ、高齢出産のリスクはこれほど高いのか。京都大学医学部教授の菅沼信彦医師が解説する。
「女性が高齢になると、【卵子も老化していく】と考えられます。卵子は、女性が胎児のときに一生分が作られます。ですから、卵子が卵巣の中にある期間が長くなるほど、遺伝を司る染色体やDNAにダメージが蓄積され、細胞分裂の力も低下してしまう。

ダウン症をはじめ、生まれてくる胎児の先天的な異常や疾患は、この【卵子の老化】が原因のひとつになっています。

高齢出産を安易に容認することに疑義を唱えるのが、前出の根津医師だ。

「もちろん、選択は自由です。ですが、本来女性にとってどの年齢が妊娠・出産に適しているかをきちんと認識してほしい。」