北海道釧路市で2020年4月、11か月の長女を自宅の浴槽で殺害したとして、殺人の罪に問われている34歳の女の裁判員裁判で1月29日、釧路地方裁判所は懲役4年の実刑判決を言い渡しました。

 北海道釧路市の無職・青柳(旧姓・河口)美穂被告(34)は2020年4月23日午後、自宅で11か月の長女・楓ちゃんをシーツにくるんで浴槽に沈め、シャワーで湯を注いで窒息死させ、殺害した罪に問われています。

 これまでの裁判で検察側は、青柳被告が事件前に発熱し泣き出した楓ちゃんに「いらだちから60錠以上の大量の頭痛薬などを飲ませた」と指摘。

 「病院に連れて行けば警察に逮捕される。後戻りはできないと考え、殺害におよんだ」と主張していました。

 一方弁護側は、事件当時青柳被告は重症うつ病の状態だったとして、刑の減軽を求めていました。

 1月29日午後に釧路地裁で開かれた判決公判で、釧路地裁の河畑勇裁判長は「自分の身を守るために娘の殺害を決意するなど、行為の意味や違法性を認識できる状態にあった」と指摘。うつ病の直接的な影響を否定しました。

 その上で「60錠以上もの大人用の薬を飲ませた上、嘔吐するなど苦しむ様子の娘を助けようとすることもなく、浴槽で溺水させた犯行態様は極めて悪質」などとして、懲役5年の求刑に対し、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。

 当時、青柳被告は元夫と楓ちゃんの3人暮らしでした。