コロナ禍において、病院からはプライベートでも会食や旅行はしないよう、通達が出されている。

【GoToキャンペーンは「もちろん使ってません。行きたくてもいけないです」。】

この1年、友達と食事を食べる、なんてこともなくなった。

自らの感染への危機感よりも、こうした不自由な暮らしが続いていること、そして業務の負担は大きい。現場の看護師は、とにかく疲弊しているとも吐露する。

「感染防御をしたうえで求められる仕事量が多すぎるんです。たとえば、コロナの患者さんがいなくなった部屋は、看護師が掃除をしなければいけない。床からベッドから、2回吹き上げる必要があるのです。3人がかりで1時間かかってしまう。CT検査を1回するにしても、手術室を使っても同じです」

「自らがエキスパートではない業務を担当するのも、物凄い負担です。コロナ対応では、ほかの病棟から代わる代わる看護師が現場に送られているのですが、慣れない業務を1週間で叩き込まれる。使うカルテも、検査も薬も違う。物品の場所さえわからず、
新しいことを覚えるので必死。教える側も、教わる側もいっぱいいっぱいの中で対応に当たっているんです」

勤めている病院では、この春に100人が退職する。例年の倍ほどの人数だ。

「回復した患者さんに話を聞くと、カラオケか宴会でかかったという人がものすごく多かった。プロとしては、命を助けるために全力を尽くしますが、理由を聞いたらがっくりとくる。モチベーションも下がってしまいますよね」

「もう辞めてもいいかな、と言っている人がたくさんいますよ。こんなに夜勤して、がんばらんでもって。普通の診療所でいいかなって言ってる人もいっぱいいる。後輩から転職サイトに登録しました、なんていう話を聞くことも増えました」