また、糞は分解を進める微生物の働く場でもある。糞が排出されると、すぐに細菌類や菌類がどんどん分解をはじめる。菌類の側から見ると、たとえば草食動物の糞には、その材料である植物よりはるかに窒素の含有量が多く、基質としてより有用である。糞に生じる菌類は糞生菌と呼ばれ、古くから研究の対象となってきた。糞だけに出現する、あるいは糞での生活に特化したと見られる菌類はミズタマカビなど様々な群の菌類に見られる。ハエのウジなどは、むしろ細菌を餌にしている可能性もある。細菌や菌類による分解が進めば、糞は土に同化してゆく。

人糞が豚や犬、魚類の餌として使用される場合もある。そのために便所はそれらの生物の飼育場所に隣接して作られることがある。さらに手の込んだものでは、人の便所の下に豚小屋(豚便所)を、豚小屋の下の方に養魚池を造る。これなどは、自然の仕組みを巧く利用した例と言えよう[要出典]。

アフリカ東部に暮らすマサイ族などは、乾季のゾウの糞を元に象糞茶(サバンナティー)を作る。また、象の糞をライオンに与えると、獰猛なライオンが一瞬にしておとなしくなってしまうという。