殺される
タブは死を覚悟しましたが不思議と怖くありません
むしろパパ達みんなの場所にいくんだ とある種の安らぎを感じたのは頭がおかしくなってしまったのでしょうか

「へえ、ふうん。お前独りか?」
意外な質問に自分はこくこく頭を下げます
「俺はさ、殺す程悪魔じゃないんだよ。イーブイにあやまるならお前飼ってもいいぞ」
意外な提案に自分は雪に頭をめり込ませイーブイに土下座して謝罪しました

イーブイは笑顔で応えて小さな手を差し出しました。口で靴をくわえ 素手の状態です
ちょっとした心遣いにタブは涙を流しながらその手を握り返しました

人間の家につくとドレディアがパタパタ出迎えました。割烹着姿のハッサムもいます
BOWのような殺戮マシーンのはずのハッサムですがとても優しそうでタブは恐る恐る二人に挨拶しました
人間は二人に何かを説明するとタブの手をひきとある一室へ案内します
そこは温かいお湯のはられたお風呂。冷たい池しかしらなかったタブンネには信じられないものでした

いい匂いの泡で体を洗われ暖かい風で毛並みを整えてもらって
昔は母に舐めて綺麗にしてもらってましたがこちらのが気持ちいいとちょっと悪い気がします

次に案内された大きなお部屋は暖かく、さっきのドレディアとグレイシアが木を飾り付けており
ドレディアはこちらに手を振りましたがグレイシアはチラッと見るだけですぐ飾り付けに戻りました
「今から家族だ。仲良くしろよ」
人間の言葉に続くようタブが挨拶をするとさっきのイーブイがアーケンとボールを転がしながら寄ってきました

「一緒にあそぼ」

そんな感じです。タブも嬉しくなり笑顔で二人の中に入っていきました

ここの床はなんで暖かいんだろ?と足元から伝わる暖かさに気をとられているとポスンと頭に球が当たりました
笑うイーブイとアーケンですがもう怒りや憎しみもありません。タブは笑顔で球を優しく投げ返しました

しばらくすると人間が袋を持って現れました。そしてみんなぞろぞろ大きい机の椅子に座っていきます
6つしかないのは自分が本来ここにいないって事で少し寂しくなりましたが、ハッサムが笑顔でどこかから椅子を持ち出し自分に座るよう促しました