外からママの声が聞こえてきます。グレイシアと会ったのでしょう
「あっ、媚イズのかき氷!さっさと私達も入れるミィギャアアアアア!ごめんなさいごめんなさいミィベビちゃんだけでもベビちゃあああ!!」

血飛沫が窓にかかりました。その後何事もなかったかのようにグレイシアは椅子に座り食事を再開しました
タブはどうしても我慢できなくなり椅子から降り窓から外を見ると血塗れでズタズタにされたママと頭の無いベビが横たわっていました
飛び出したママの目はこちらを睨みつけているよう感じられます
さらにグレイシアの真の姿におしっこちびりそうになりました。ハッサムもドレディアも本性はこうなのかと震えがとまりません
あのイーブイですら無視しています。暖かい家族の冷酷な面がみえさらに背筋が冷たくなりました

「冷めるぞ。はやく食べちゃえ」
人間の言葉にはっ、とガラスに写る自身の姿に違和感を覚えました
外で死んでいる仲間はくすんでいるがピンク。自分はピンクではなくパープルの体毛
今タブは自身の決定的な違いに気づきました。自然界にいた時は特別気にした事もない。体色
自分達にとっては色違いなどよくあるビスケットの形が○か□かくらいどうでもいいことでした
自分は色が違うから破格の扱いを受けられる。ようやく理解しまし
食事や環境で本来の聴力が戻ったのかママンネの死骸から声がきこえてきます
「ママー!マァマァー!!」
「ミェーン!おかあさあああん!!」
ベビ以外にも子供がいたのでしょう。雪の積もった体で必死にママの死骸に泣きついています。白い息が外の厳しさを物語りました
タブはガラスに隔てられた暖かい部屋からその様子を眺めることしかできません
そして二匹の子タブの大きい方が色タブに気づいたのか睨み付けてきました