「いらっしゃいませ〜」

今日も女性アルバイトの元気な接客が木霊する。
店内にはカップルや老夫婦、親子連れに大学生だろうか?5人の若者が、店内の大型テレビに映るラグビーを見ながら料理を食べ、楽しそうに笑っている。

ここはライモンにあるタブンネを扱うレストラン、ミィゼリア。
俺はここの経営を営んでいる。

ここまで来るのも大変だった。
料理学校を卒業した後、タブンネレストランを開こうとしたものの、テナントを借りる金はないし、銀行から借りるような実績もない。
おまけに牧場からタブンネを仕入れるなんて出来る筈もない。

それでも学生時代の先輩が経営する料亭で住み込みで働き、何とかテナント代を貯め、タブンネは野生のものを使ってレストランを開いた。
俺の料理はたちまち口コミで広がり、今やイッシュ一の繁華街、ライモンでも指折りのレストランになった。
カントーでも三ツ星を頂いたこともある。

きっかけは四年前、俺の住んでいたアパートに上がりこみ、我が儘に振る舞うタブンネ親子を制裁したことだ。
赤ちゃんは自分のおしっこに溺れ、子供の一匹はウォーグルに、もう一匹は冷凍庫でカチカチに、そして母親はバルジーナに食べられて死んだ。

この時の冷凍庫で死んだ子供タブンネ(当時はBと読んでいた)だけが死体が残っており、処理に困ったために試しに料理してみたのだ。
とても美味しく、これは商売になる!と思った。

尤も、この後俺は騒音などでアパートを追い出されてしまったのだがw

まぁ今回はウチで特に人気のある料理を紹介したいと思う。

やっぱりまずは前菜から。
ウチでも一番人気の前菜「タブンネベーコンとタブンネエッグの和え物」

タブンネはミィアドレナリンを出す、というのは有名だが、最近それが卵にも効果あることが分かった。
もちろん、黄身と白身の卵を痛め付けるなんて出来ないが、母親などの肉親の悲鳴に本能で危機を感じるのか、卵に変化が怒るのだ。

じゃあ、食材を取りに行こう。

レストランの地下に「タブンネ部屋」がある。
開店前に俺が自ら牧場で仕入れたタブンネ達を入れておくためだ。