「ミ…ミゥ〜…ミャゥ〜ッ」
無事な子タブンネはマルノームに抗議をするように、歯を剥き出しにして唸るが、マルノームは全く相手にしない。
すでに毒ンネはビクンビクンと痙攣している。

「ミギーッ!!」
あ、これがレストランを開いてから知ったこと。
子タブンネはマルノームに向かってタックルを仕掛けた。
普段温厚なタブンネは、一度「ミギーッ!!」と気合いを入れないと攻撃出来ないらしいのだ。

だが、そのタックルは当たることはない。
「マル〜♪」
マルノームはポテポテとタックルしてきた子タブンネを、そのまま口に入れたのだ。

「ミワッ!?ミギー!ミギー!」
中で子タブンネが暴れるのが聞こえる。
「ピィウ…ピミィ……」
毒ンネは何とか這いつくばってこの状況をどうにかしようとするが、そんな方法あるはずもない。

ゴボッ
「ウビギーッ!!」
マルノームの頬?辺りが膨らんだと思ったら、子タブンネの絶叫が響いた。
「ミ"!?」
毒ンネも、その声に驚き弱々しくも叫ぶ。

きっと胃液が口の中の子タブンネを消化し初めたのだろう。
「ミ"ャゥーーッ!ビャッ…ミ"ギュアーッ!!」
しかし凄まじい叫びだな。
生きたまま溶かされる恐怖…俺は考えただけで身震いがしてしまった。

「ピィキ…ピッ…キー」
毒ンネは震えながらもマルノームの体をペチペチと叩く。
「ミ"フーッ!ギピーーッ!!」
だがそれでどうにかなるわけでもない。

モグモグッ
マルノームは口を大きく動かしたと思うと、その口から子タブンネの上半身を出した。

「ピッ?ピヒィ…」
「ミャ…?ミ"ー!」
子タブンネたちはお互いを確認すると、既に残ってはいないだろう力を振り絞って手を伸ばし合う。
口の中の子タブンネはもう毛が剥がれていた。

「ミ"ビッ!!」
「ピャゥッ…」
だがその手も届かない。
これは、マルノームの最後の慈悲だったのだろう。