日本において最初の公的医療保険は、1922年(大正11年)に施行された健康保険法であり、これは企業雇用者の職域健康保険であった[4]。

農家・自営業者の地域保険については、埼玉県南埼玉郡越ヶ谷町(現・越谷市)の一般住民を対象とした、日本初の地域健康保険制度「越ヶ谷順正会」が1935年(昭和10年)に発足し、その3年後の1938年(昭和13年)に、政府レベルでの国民健康保険法(旧法)が創設された。このため越谷市は「越ヶ谷順正会」を「国民健康保険の発祥」と称しており、国民健康保険法施行10周年を記念して、1948年(昭和23年)には「越ヶ谷順正会」を顕彰する「相扶共済の碑」が、現在の越谷市役所の敷地内に立てられている。

また、山形県角川村(現・戸沢村)は、当時無医村だった村に村営診療所を設立するため、1936年(昭和11年)に「角川村健康保険組合」を発足させ、その2年後の1938年(昭和13年)の国民健康保険法の下で認可された国民健康保険組合第1号となったことにより、「国民健康保険の発祥の地」と称しており、国民健康保険法施行20周年を記念して、1958年(昭和33年)に、現在の農村環境改善センターの敷地内に「相扶共済の碑」と「国民健康保険発祥地の由来の碑」を立てている。