僕はそういった人に犠牲を強いるつもりはないです。
ただし、自分は35歳になってもやり直しの効く人間だから、そしたら35歳になるとやり直しが効かなくなる人、
あるいはやり直し方がわからない人に対して、道を新たに示せるように頑張ろうということです。

富野
インテリだから出来る。


う−ん、これってインテリじゃないと思うな。
インテリという言葉の定義にもよると思うんですけれどもね。
そもそも自分は、一人で一つの完結した内的世界を作るようなことに、満足なり目的意識なりを持てる人間じゃない。
そのうえで、いわゆる一般的インテリ世界に属して一つのアイデンティティの確立を目指すような人間でもない。
確かに、現在の自分は多少インテリ的な次元に食い込んではいる。
しかしそれは何故かと言えば、その位置に立つことによって、道に迷っている人問、
あるいは「そこそこ楽しくやってるようだけど、もっとこうすりゃ面白くなれるじゃん」という状況下の人に対して、
それなりの事を示せる人間が求められていると思ったからです。

富野
それは正しいけれども、やはり馬鹿な人間、愚鈍な人間の悪あがきを言わせてもらう。
そういう話聞けば聞くほど、あなたやっぱり厳然として、あなたがどんなに理論武装しようが、何をしようが、大衆に下りて来れない。
インテリを神だなんて、間違っても思わないからな。


いいじゃないですか。そういうふうに思って貰えると、真意に近いというものです。
神なんていないんですから。
僕は常に一つのアジリとし、自分の……

富野
……いい加減に止めろよ、そんな話。