もうひとりは高木美佑だ。
メンバー達とは個別に食事に行っていて、段々と愚痴を聴いたりガス抜きのようなことをするようになっていた。
なんか俺は怒られてばっかりだった記憶がある(笑)。

彼女と遠方の店に行った時のことだ。僕は酒が飲みたかったので、電車で行った。

二人で座席に座ってたら、彼女が愛理と同じような不安を言い始めた。

「上手く自分が出せなくて、みんなに取り残されてるようで、今後が不安なんですぅ……」
そしてとうとう彼女は泣きだしてしまった。お前は岡本未夕か!

電車の中で俺が彼女を泣かせてしまったような恰好になり、さすがに慌てた。

僕はティッシュを彼女に差し出し、
「よし解った!今日はお前がどうやったらブレイクできるか考えよう!」

まず提案したのが、「痛キャラ」。当時はまだももち(嗣永桃子)が現役だったので、彼女みたいにキャラを作れ!と言ってみた。
「許してにゃん!」とかやればいい、と。しかし彼女は納得しない。

次に提案したのが、
「よし!じゃあお前は〇夢厨だから、それを全面に出していこう!
BL作品を思いっきり真剣な目線で、誠実に論じるんだ」

「……」
反応すこぶる悪し。どうもこの話、終わりそうにないなぁと思ってた矢先、ピンと来た。

「じゃあゲームだゲーム!お前重度のゲーマーだろ?それを出していけ!自作のゲーム作れるくらいになってみろ!」
やっとこれが彼女に響いたらしい。
「やってみます!」

今や彼女はゲーム番組だけでいくつも持つようになった。