「こんなはずじゃなかった…」エペガイジは戦々恐々とスレを眺める。正直辛い。変なあだ名で呼ばれるし、模造がバレた。証拠はひとつもないから出せないし、本当はもう終わりにしたい。スレ民にもTwitter民にも現実でもひどく馬鹿にされ続けてる。でも出来ない。俺を馬鹿にしやがって…

pvpで負けたのがそんなに辛かったのか?どこでも馴染めずに仲間外れにされること?いつも完璧だと思った工作が何故かバレてしまうこと?義務教育で習うレベルの漢字が読めないこと?一度も女と付き合った経験がないこと?匿名掲示板で煽ったら本人が現れて正論パンチで叩きのめされて逃げたこと?本当の理由はエペガイジにも解らない。でも…手だけは動く。皆を罵倒する書き込みを、続けてしまう。一体これは、この手は、この指は一体誰の物になってしまったのか?

そしてまたエペガイジを罵倒する書き込みを沢山見つける。涙、嗚咽が止まらない。どうして、俺がこんな目に?俺をpvpでボコした奴を批判して欲しかった!ただ同情が欲しかったし、構って欲しかった!一緒にスレの皆に叩いて欲しかった!!でも、失敗してものすごく馬鹿にされる!!!ホントは…ホントは、ともだちに…ガシャアッ!!!!感極まったエペガイジの腕が脊髄反応でディスプレイを乱暴に叩く。「エペガイジ!!アンタ何してるのよォ!!?」年老いた母親が胸を張って大声で叫ぶ。でも俺は…と、友達が欲しい…?かまって欲しい…違う!!それだけは認められない。それだけは…それを認めてしまえば…ネットでの唯一の居場所とアイデンティティを失う…それだけは耐えられないから……