前頭側頭型認知症(FTD)
若年性の認知症の一種で、40~50代に発症することも多く、早ければ30代頃から徐々にその症状が見られることもあります。認知症というと、主に記憶が障害されるアルツハイマー型認知症がイメージされやすいかもしれません。
しかし、前頭側頭型認知症は、初期には記憶の問題はほとんど見られず、性格の変化や社会的な行動から変化が現れることがほとんどです。そのため、認知症とは気づかれにくく、その他の精神疾患と間違われたり、時には単なる更年期障害や加齢による変化として長期間見逃され続けることも珍しくはありません。

主な症状としては、怒りっぽくなったり衝動的な行動が多くなる、無気力になり今まで取り組んでいた家事や趣味への意欲が低下する、共感性や思いやりが低下し自己中心的な言動が増える、同じような行動を繰り返すようになる、味覚や食べる量などに変化が現れる、などがあります。DSM-5においては、以下の診断基準が挙げられています。