米中決裂が確定的となった。ドナルド・トランプ大統領は、中国の習近平国家主席が、北朝鮮の「核・ミサイル開発」阻止に動かなかったことに激怒し、対抗措置に着手したのだ。

 中国への制裁発動と、北朝鮮への軍事オプションの検討指令。こうしたなか、中国と北朝鮮の工作員が、日米同盟を弱体化させるため、安倍晋三政権攻撃に関与しているという衝撃情報が入った。東京都議選などで確認された、驚くべき工作員動向とは。ジャーナリストの加賀孝英氏による最新リポート。

 「中国は裏切り者だ! 米国は本気で怒っている。北朝鮮の暴走は中国の責任だ。トランプ氏は陰では習氏を罵倒している。『中国との全面対立』まで語り、関係機関が緊張している」

 旧知の米情報当局関係者はそう語った。

 トランプ氏と習氏は8日、G20(20カ国・地域)首脳会議が行われたドイツ・ハンブルクで首脳会談を行った。

 会談の4日前、北朝鮮はICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した。ワシントン州シアトルに届く「射程8000キロ以上」との分析もあり、米国が設定した「レッドライン」を越えた可能性もあった。米中首脳の対応が注目された。

 だが、「成果はゼロだ」と、防衛省関係者は断言し、続けた。

 「トランプ氏は『北朝鮮に圧力をかけてくれ。資金源を絶て』と迫ったが、習氏は『対話と協議を堅持する』と逃げた。トランプ氏が習氏をにらみつける場面もあった」

 私(加賀)は前回の連載(6月26日発行)で、米中関係の悪化を、次のように報告した。

 (1)4月の米中首脳会談で、中国は《北朝鮮に「100日間」圧力をかける。結果が出なければ、米国の(先制攻撃などの)単独行動を容認する》と合意した(2)だが、先月21日の米中「外交・安全保障対話」で、中国は「われわれは朝鮮半島から手を引いている」と開き直った(3)トランプ氏は「裏切られた」と激怒し、7月中旬のデッドラインを待たずに、単独行動の選択に入った−。

 その後のトランプ政権の、中国に対する「報復攻撃」はすさまじい。

 米国務省は先月27日、「2017・人身売買報告書」を発表した。中国を「最悪の人身売買国」に格下げして、中国のメンツを潰した。

 国務省は同29日、台湾に、魚雷やミサイル部品など、総額14億2000万ドル(約1460億円)の武器売却計画を議会に通知した。「1つの中国」政策を無視するもので、中国は驚き、猛反発した。

 財務省は同29日、中国の丹東銀行を「北朝鮮のマネーロンダリングに加担している」とし、米国との取引を禁じ、中国に衝撃を与えた。

 米中決裂が鮮明になったのは、7月2日の米中首脳電話会談だ。

 米政府関係者は「習氏は、米国の一連の措置に泣きつくように抗議した。トランプ氏は無視して『単独行動』を宣言した。習氏は翌日、ロシアに駆け込み、プーチン大統領と首脳会談を行い、米国の北朝鮮政策と、在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備への『反対』をブチ上げた。トランプ氏は中国を信じない」と語る。

 米国は、中朝攻撃の「さらなる極秘工作」を進めている。以下、複数の米情報当局、米軍関係者から入手した情報だ。

 「米国は、北朝鮮と取引する中国企業を徹底的にたたく。欧米主要銀行8行にある、その中国企業の巨額資産の差し押さえを検討している」「米国は、丹東銀行以外に『約10の中国企業・個人』への制裁も中国に要求している。世界第4位の中国銀行と、人民解放軍系企業も制裁対象にする。中国と北朝鮮は大混乱になる。北朝鮮の資金源を絶ち、飢えた軍部と市民による、正恩政権潰しの暴動をうながす」

 北朝鮮への軍事オプションに向けた準備も進行している。情報は続く。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170711/soc1707110007-n1.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170711/soc1707110007-n2.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170711/soc1707110007-n3.html

>>2以降に続く)

http://www.zakzak.co.jp/images/news/170711/soc1707110007-p1.jpg
緊迫するトランプ氏(左)と習氏=8日、独ハンブルク(AP)