さて、今週ご紹介するエンターテインメントは、世界を騒がせ続けるあの国のお話でございます。

 ご存じのように、北朝鮮が7月4日午前、日本海の方向に向けて弾道ミサイル1発を発射しました。飛行距離は約930キロ。今年10回目となる弾道ミサイルの発射です。

 日本政府は、ミサイルは約40分間飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられると発表しました。

 複数の欧米メディアによると、これを受け、4日、北朝鮮側は国営メディアを通じてミサイルの発射に成功したと表明。

 レックス・ティラーソン米国務長官は4日(日本時間5日)、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと認め、「米国は北朝鮮のICBM発射を強く非難する」とする声明を発表。同時に、国連安全保障理事会で挑発行為を続ける北朝鮮に「責任を取らせるためのより強い手段」を取れるよう提起する考えを示しました。

 最高権力者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による独裁政権によって人民は苦しめられ、少しでも刃向かえばたちまち“粛清”されてしまいます。

 さらに、国のお金はこうしたミサイルといった軍事力の増強に湯水のごとくつぎ込まれ、人民は飢えたままです。

 なので、ご存じのように、国連をはじめとする国際社会は、経済制裁などの強化によって北朝鮮をいわゆる“兵糧攻め”にして、考えを変えさせようとしているわけですが、金委員長の傍若無人な振る舞いや行動は何一つ変わりません。

 それどころか、恐ろしいことに、こうした“兵糧攻め”が今後、全く効力を発揮しなくなる可能性が高いというのです。そうなれば、北朝鮮がますます増長するのは火を見るより明らかですね。

 しかし、なぜそんなことになってしまうのか?。にわかには信じがたいのですが、今週の本コラムでは、この恐ろしいお話についてご説明いたします。

■えっ!? 信じられない「1100兆円」

 いつものように、本コラムのネタ探しで欧米メディアのサイトを巡回していて、このニュースを見つけたときには目を疑いました。

6月16日付の米ニュースサイト、クォーツや、7月1日付の英紙インディペンデント、7月3日付の米紙ニューヨーク・ポスト(いずれも電子版)などが報じているのですが、北朝鮮には何と、6兆ドル〜10兆ドル(約680兆円〜1132兆円)の資産価値を有する貴重な鉱物資源が眠っているというのです。

 米ワシントンDCにある有名な民間シンクタンク「戦略国際問題研究所」の創設者兼上級顧問、ロイド・ヴァシー氏による最近のリポートによると、北朝鮮の山岳地帯の地下には、鉄、金、マグネサイト、亜鉛、銅、石灰石、モリブデン、グラファイトなど、約200種類もの鉱物が存在しているというのです。

■「中国に次ぐ世界2位」「世界6位」量の鉱物資源…スマホ必須レアアースも

 そして彼のリポートによると、北朝鮮のマグネサイトの埋蔵量は何と中国に次いで世界第2位!。タングステンは世界第6位とのこと…。

 それだけではありません。周辺国の工場がスマートフォン(高機能携帯電話)といったハイテク製品の製造に必要な大量のレアアース(希土類)も含まれているといいます。

 ちなみに北朝鮮では、鉱業が国内経済に占める割合はわずか14パーセントで、鉱山施設の平均稼働率は30パーセント以下。そして、こうした貴重な鉱物資源が眠っている山岳地帯は全く開発されておらず、現在、手つかずのまま…。

 ちなみに10兆ドルという見積もり額は、昨年の5月5日付英経済誌エコノミスト(電子版)が韓国の研究機関が2012年にはじき出した数字として紹介。

 また、前述のクォーツが報じた6兆ドルという数字については、オーストラリア国際大学のアジア太平洋カレッジの客員研究員で、北朝鮮研究の専門家、レオニード・ペトロフが「初耳で、現実味がない」としながらも「正確な数字を確認するのは困難だ」と慎重な言い回しに終始しました。

 しかし、この6兆ドル〜10兆ドルという数字、欧米ではいま“当たらずとも遠からじ”といった感じで広く認識され始めているようです。



続きます。
http://www.sankei.com/west/news/170714/wst1707140011-n1.html
2017.7.14 11:00