古今東西を問わず重刑になる経済犯罪がある。何だろうか。答えは貨幣偽造・変造行為。
(中略)

歴史的に最も組織化された貨幣偽造が起きたのは第二次世界大戦中。ドイツと日本が国家次元で偽造貨幣を作った。中日戦争が起きるとすぐに日本は中国経済をかく乱するため中国のお金40億中国元を偽造しあちこちにばら撒いた。ちょうど物資不足と軍隊に支給する給与さえ困窮していた国民党政府は逆に1,890億中国元を刷る方法で日本のニセ札に対抗した。結果は超インフレーションの深刻化。戦前まで牛二頭を買えた100中国元の価値が日本が降参する頃には卵2個に落ちた。

ヒットラーのドイツも真偽を識別しにくい程、精巧なニセ札製造をやった。初めは英国経済をかく乱する姑息な手段だったが、後ほどドイツ情報部の工作資金を用意する目的に変わった。
(中略)

一部のナチ残党と極右勢力はニセ札自体を否認した。収容所の存在と秘密工場運用などは怨恨に燃えたユダヤ人らが作った嘘であり陰謀という主張もはばからなかった。敗戦直前、ナチは英国ポンドだけでなく米国ドル貨幣まで偽造に成功したが、米軍とソ連軍の進駐が迫るとすぐにニセ札製作原版を破棄して残ったニセ札は人知れない場所に捨てた。犯罪の痕跡を消したのだ。

だが動かせない証拠が1959年7月27日、世の中に姿を表わした。ニセ札をしつこく追跡した西ドイツ雑誌シュテロン社の記者がオーストリア、トプリッツ湖の78メートルの湖底からニセ札の束を捜し出したのだ。シュテロン社は「ドイツの恥部を現わした」という極右勢力の脅迫を受けたが結局、勝ち抜いた。

戦犯国家のドイツが国際社会で指導力を認められる理由が正にここにある。反省するだけでなく不都合な真実を明らかにするのに躊躇しない点が戦争中にニセ札を作って散布した事実まで否認する日本と異なる。

日本が貨幣を媒介に及ぼした害悪はまだある。1945年8月15日、光復当時、朝鮮銀行の貨幣発行高は49億円だったが、わずか半月間に76億円に上昇した。「終戦対策費」という名目の下、日本人たちの帰還資金準備のためにむちゃくちゃに通貨を乱発したせいだ。

米軍政体制が入るまで日帝の朝鮮銀行が発券銀行であったから違法ではないが、これによって新生韓国は解放されるやいなや物価高に陥った。朝鮮銀行の日本人幹部らは撤収が始まった後にも朝鮮書籍印刷株式会社にあった100円印刷原版を引き出して米軍政庁と朝鮮人職員こっそりと紙幣を印刷し日本人預金者にこっそりと分けた。わずか数日の間に100円券発行が二倍に増えた。

35年間、国権を強奪して資源を収奪しただけでも足りなかったのか、最後に離れる瞬間まで日帝は韓国に被害を及ぼした。日本人たちの不法と違法で解放された韓国の経済は物価高に苦しめられた。タイトルの問いで結論の代わりとする。ニセ札…ドイツと日本、どちらがより悪いだろうか。

クォン・ホンオ論説委員兼選任記者

ソース:ソウル経済(韓国語) ニセ札…ドイツと日本、誰がさらに悪いのか
http://www.sedaily.com/NewsView/1OIMYAXIPO?OutLink=recombest_GG