韓国の崔成泓・元外交通商相(78)が7月上旬、高知県を旅行中に脳内出血で一時重体となり、高知医療センター(高知市)で緊急手術を受けて容体が安定、3日に無事帰国した。

 病院はセンターから救急車で関西空港まで約330キロ移送し、韓国側に引き継いだ。

 高知県は2016年に韓国の全羅南道と姉妹交流協定を結び、韓国との草の根交流も盛んだ。「できる限りのことをしよう」(尾崎正直知事)と異例の支援に踏み切った。

 崔氏は02年2月から1年間、金大中政権で外交通商相を務めた。

 関係者によると、今年7月7日午前、高知県南国市のホテルの自室で意識不明の状態で発見され、救急搬送先のセンターで2度の手術を受けた。

 別の疾患が見つかり、今後の治療を考えた家族の希望もあって韓国への移送を検討。高麗大の病院が受け入れ先となった。現在は、意識を取り戻しつつあるという。

 3日午前、センターの救急車で関西空港へ出発。大阪の韓国総領事館が受け入れ、航空機で仁川空港まで運んだ。センターの医師は韓国まで付き添った。

 高知県は医療専用ヘリコプターを利用する予定だったが、台風5号の強風のため、救急車に切り替えた。

 元外相の長男の崔秀龍高麗大教授(47)は「感謝の気持ちでいっぱいです。高知の皆さんの温かな心遣いを決して忘れません」と話している。

http://www.sanspo.com/geino/news/20170803/sot17080322110009-n1.html