安倍総理大臣は広島市で記者会見し、北朝鮮による弾道ミサイルの発射などに対応するため「防衛計画の大綱」を見直す考えを示す一方、自衛隊が敵の基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」の保有に向けた検討を行う予定はないという認識を示しました。

この中で、安倍総理大臣は「わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟の強化を図ると同時にわが国自身の防衛力を強化し、みずから果たしうる役割の拡大を図る必要がある」と述べました。

そのうえで、防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」について、「あるべき防衛力の姿はいかなるものかといった観点から見直しに向けて不断の検討を行っていく。南西地域の防衛強化や、弾道ミサイル防衛の強化、宇宙、サイバーといった新たな防衛も検討課題になる」と述べました。

一方、安倍総理大臣は、自衛隊が敵の基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」について「現時点で保有に向けた具体的な検討を行う予定はない」と述べました。

また、先月、国連で採択された核兵器を法的に禁止する条約について

「条約に核兵器国は1か国として参加していない。核兵器国と非核兵器国の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける結果になってはならない。核兵器のない世界に一歩一歩近づいていく現実的なアプローチが必要で、条約はこのようなアプローチと異なる」と指摘しました。

さらに安倍総理大臣は、憲法改正をめぐって、「私の発言は、『さらに国民的議論を深めていくべきだ』と一石を投じたところだ。憲法改正案は国会で発議されるもので、党主導で進め、国民の中で大いに議論が深まっていくことを期待したい」と述べました。

https://news.goo.ne.jp/article/nhknews/politics/nhknews-10011089621_20170806.html


安倍晋三首相は6日午前、広島市で記者会見し、弾道ミサイル発射などの前に敵基地を破壊する「敵基地攻撃能力」の保有について、「現時点で具体的な検討を行う予定はない」としながらも、

「わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、国民の生命と財産を守るため何をすべきか、常に現実をしっかりと踏まえながらさまざまな検討を行っていくべきだ」と述べ、将来的な検討に含みを残した。

敵基地攻撃能力の保有をめぐっては、小野寺五典防衛相が弾道ミサイル対処能力強化に関連して検討の意向を示している。首相は会見で「専守防衛の考え方はいささかも変更はなく、これからもそうだ」と強調した。

公明党の山口那津男代表は6日、広島市で記者会見し、敵基地攻撃能力の保有について「冷静に考える必要がある。わが国は国際社会と連携して北朝鮮の非核化を目指そうという運動の中心にいる」と慎重な姿勢を示した。

一方、首相は先の内閣改造に際して小野寺氏に検討を指示した防衛大綱の見直しについて、「南西地域の防衛強化や弾道ミサイル防衛の強化に加え、宇宙、サイバーといった新たな分野も検討課題になる」と指摘した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080600239&;g=pol