フィリピンの首都マニラを訪れているアメリカのティラーソン国務長官は6日、ASEAN=東南アジア諸国連合との外相会議を行いました。会議の冒頭、ティラーソン長官は「われわれの共通の脅威と、それをめぐる対応について協議したい」と述べました。

この会議に先立って国務省の高官は記者団に対し、最大の焦点は、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応だと説明していて、ティラーソン長官は、国連安全保障理事会で採択された新たな制裁決議をASEAN各国が完全に履行し、圧力の強化で結束するよう呼びかけたと見られます。

また、ティラーソン長官は、南シナ海の問題をめぐり、6日のASEANと中国の外相会議で、南シナ海での紛争を防ぐための「行動規範」の枠組みが正式に承認されたことについて、最終的には法的拘束力を持たせるべきという考えを示したものと見られます。

米ロ外相も制裁決議対応協議か

アメリカのティラーソン国務長官は、ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議が行われているフィリピンのマニラでロシアのラブロフ外相と個別に会談を行いました。

会談の詳しい内容は明らかになっていませんが、アメリカ側は北朝鮮に圧力を加えるため、国連の安全保障理事会で採択された新たな制裁決議を着実に履行するようロシア側に求めたと見られます。

北朝鮮への対応をめぐって圧力の強化を訴えるアメリカに対し、ロシアは、北朝鮮情勢の緊張をもたらしているのは、軍事的な圧力を強めるアメリカだとして、対話による解決を重視していて、双方に歩み寄りが見られるかが焦点です。

また会談では、内戦が続くシリアや散発的な戦闘が続くウクライナの情勢をめぐっても意見が交わされたものと見られます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170806/k10011090121000.html