蓮舫議員の国籍問題を巡って、再び「日本人」とか「国籍」について議論が高まっています。では、そもそも「日本人」とはどう定義できるのでしょう?

1)日本国籍を持っていること

恐らく多くの方が最初に思いつくのは、「日本国籍を持っている人」あるいは「日本国籍しか持っていない人」でしょう。では、2008年と2014年にノーベル物理学賞を受賞したアメリカ国籍の南部陽一郎博士や中村修二博士について「日本人が受賞した」とした報道や安倍首相の発言は間違いだったということでしょうか? 

また、日本人(多くは父親)とフィリピン人(多くは母親)から生まれた人(新日系フィリピン人)は国際移住機関(IOM)が2008年から2011年に行った調査によると、最大で30万人程度いるとされています。

新日系フィリピン人の多くは、日本人父から認知されていませんので「フィリピン国籍」しか持っていない場合が多いですが、中には、日本人の父親から認知され(あるいは両親が婚姻している状況下で生まれて)「日本国籍しか持っていない」(つまりフィリピン国籍を確認していない)人もいます。

名前も日本風の場合が多いですが、彼らの多くは、生まれも育ちもフィリピンで、日本語は一切分からず、日本に来たことも一度もありません。でも日本国籍しか持っていません。彼らは「日本人」でしょうか?

更に、私は国際機関で長年働いてきましたが、日本国籍を持って「日本人」として国連に勤務している人の中には、外国生まれ外国育ちで、日本語はほとんど話せず、立ち居振る舞いや考え方も食生活も、完全にアングロ・サクソン系という国際機関職員が少なからずいます。でも彼らは日本国籍を持っています。彼らは「日本人」でしょうか?

実は、面白いアンケート調査があります。

アメリカのピューリサーチセンターが2016年に日本人成人約1000人を対象として無作為抽出による電話アンケート調査を行ったのですが、

「真の日本人であるために、@日本語が話せること、A日本生まれであること、B日本の習慣や伝統を理解していること、それぞれどれくらい大事だと思いますか?」という問いに対して、以下のような結果となったそうです。

「日本語が話せること」:とても大事70%、まあまあ大事22%、あまり大事でない5%、全く大事でない2%
「日本生まれであること」:とても大事50%、まあまあ大事27%、あまり大事でない14%、全く大事でない8%
「日本の習慣や伝統を理解していること」:とても大事43%、まあまあ大事47%、あまり大事でない8%、全く大事でない1%

それぞれの項目について必要要件あるいは充分要件と思うのか明らかではありませんし、「日本国籍しか有していないこと」という設問が無いのが少し残念なのですが(実施したのがアメリカの研究所でアメリカでは重国籍は合法なので、その設問自体が愚問なのかもしれません)、一つずつ少し検討してみたいと思います。

2)日本語が話せること

恐らく一般の「日本人」よりも難しい日本語を駆使している弁護士の中には、外国籍を有する方が増えてきています。昔から、中国籍や韓国籍の弁護士は珍しくないですが、最近はアメリカ国籍、イギリス国籍、ベトナム国籍も出てきて、更に今年日系ブラジル人の若者が初めて司法試験に合格されたという素晴らしいニュースもありました。

例えば東大のロバート・キャンベル教授など、一般の「日本人」よりも古語などに精通している外国籍の専門家も多いでしょう。でもそのような方々は、現在の日本の国籍法上は「日本人」ではありません。

http://www.huffingtonpost.jp/naoko-hashimoto/definition_japanese_b_17518742.html

>>2以降に続く)

前スレ
【国籍問題】「日本人」を定義してみてください 日本の国籍法や従来の「日本人」という概念は明らかに現実から大きく遅れている [無断転載禁止]©2ch.net
http://lavender.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1502025076/
2017/08/06(日) 22:11:16.48